人生において家が果たす役割、仕事が果たす役割、いずれも重要なものだ
ろう。ロビンはアレルギーの人にも安心な自然素材を活かした住宅設計や、
お客様のニーズに応えるリフォームを行っている企業だが、中心にあるの
は、蜘手社長の哲学だ。愛知淑徳大学1年の松井さん、杉浦さんが、人生
観まで通じるお話を聞いてきました。
ロビンは自然素材を使用した住宅の設計や住宅リフォーム、アフターメン
テナンスなどを行う会社である。社長の蜘手健介氏は、2001年に有限会社
ワンリフォームを創業し、その後組織変更を経てロビンを立ち上げた。現
在店舗は高山本店・名古屋店・岐阜店と三店舗構えている。また最近では、
不動産事業・家具やインテリアの販売も行っている。取材前に蜘手社長が
とにかくすごい方であることを聞いた。一体どのようにすごい方なのか、
社員から見た社長の姿とはどのようなものなのか、その魅力に迫った。
まずロビンの魅力は社長の考え方によって社員が成長できるということに
ある。ここでの成長というのは、技術だけではなく人としての成長を多く
含む。蜘手社長は仕事の中に人生を見つけることは難しい。もし仕事が人
生の全てであったとしたら、60歳で定年を迎えた後は何もなくなってしま
う。そうではなく、人生を豊かにするためにはどう生きるかということを
考えることが大切であると言う。蜘手社長は社員に仕事の楽しさややりが
い、人に認められるうれしさ、といったものを先に覚えさせている。また、
社員がいつも目指すべき姿を考え、何をしたらどのように変わることがで
きるのかを勉強会などを通し考えさせる教育方針をとっている。辛い時に
乗り越えられる理由を最初に設定しておくべきだと蜘手社長は言う。確か
に困難な場面ではこのような動機付けがあるかないかでは全く違う。蜘手
社長から話を伺うことで得られた人生論は、非常に価値のあるものであり
社員から見た社長のすごさを感じることができた。
また、顧客がいかに満足するかを考えている点がロビンの魅力である。こ
の業界では、顧客との長い関係性が必要であり未来のためにはコストも必
要である。ロビンでは、自然素材を活かしてアレルギー体質の方にも安心
して暮らせる家づくりを提供している。これは元々社長自身と社長の子ど
もがアレルギー体質であったことから生まれたものである。そのような悩
みを抱えている方が多くいるのではないかと事業を開始されたものだ。単
に利益だけを追求するのではなく、より良いものを提供し顧客満足を目ざ
すことがとても魅力的であった。他にもライフスタイルの提案を目ざすた
め、Robinセレクトとして家具やインテリアの販売やアウトドアブランド
であるMont・bellとの提携もしている。またお客様とロビンが友人のよ
うな関係であることに魅力を感じた。例えば、ファミリークラブの会員の
お客様と旅行やゴルフなどを共にしている。仕事を通じて人間関係を築く
ことができるのは、大変素晴らしいことである。
ロビンと顧客が人生を楽しく生きるための家づくりとライフスタイル作り。
ロビンの今後が非常に楽しみである。
株式会社ロビンとは、木・土・壁紙・塗料などの素材にこだわり、アレル
ギー体質でも安心な家づくりを行う企業である。
蜘手社長の考え方は多くの社員を魅了している。蜘手社長の考え方は
Robin philosophyとなっている。Robin philosophyとは「Robin」
「顧客」「社会・公共」「Robin職人会」「STAFF&FAMILY」という影響
を受けあう5つの関係が常にフェアトレードの精神に則り「感謝と喜び」
という実を結実させたい、とする企業理念である。社員全員が一貫して企
業理念に基づいた事業を行うために、同社は独自の教育制度を通して社員
の教育を行っていた。建築業界の企業に入社した新入社員が一人で業務を
行えるようになるには、一般的に7~8年かかるといわれている。それゆ
え下積みを求めすぎてしまうことが多いという。そこで7~8年かかる下
積みを10か月で終える独自のプログラムを導入している。10か月終えると、
自分の給料に見合う働きができるようになっている。そのプログラムとは、
比較的簡単で繰り返し行える業務を確実に遂行できるようにしていくこと
にポイントが置かれている。また、早い段階でお客様と接することにより、
技術よりも先にやりがいを感じることができるようにされている。技術よ
りも先にやりがいを覚えてもらうことで、定着率も高くなったという。無
料の住宅診断は、新入社員の研修の場としても活用している。顧客にも説
明をし、協力をしてもらい顧客との会話を図る。半年が過ぎるあたりから
は屋根や外壁診断業務などを行う。そして外壁塗装、トイレの改築、家の
増改築とより知識や経験が求められる複雑な相談にも対応ができるように
していく。住宅診断業務を行うことで、職人と話す機会を増やす狙いもあ
る。建物の構造、改修がより必要となる点などを深く学ぶことが可能な場
となっている。以上のように、一つ一つの業務を教育していくことにより、
7~8年かかっていたことを10か月で学べるようプログラムしている。そ
の上、ステップ制を導入することにより、着実に次が見通せる形となって
いる。
蜘手社長の考えは多くの社員を魅了している。取材を終えてその理由とは、
物事を一つと決めずさまざまな角度から見ることや枠組みにとらわれない
自由な発想やアイデアを持つこと。それを実現させようと一致団結するこ
と。そして実現させるところだと感じた。株式会社ロビンは比較的人数が
少ない。しかし少ないからこそ全社員が一致団結して大きな目標に向かっ
てまっしぐらである。とても大きなエネルギーを感じた。大きすぎないか
らこその団結力とパワーを実感できる、それが株式会社ロビンの魅力の一
つだと感じた。