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前輪が2輪で後輪が1輪の「トライクバイク鋼」など、デザイン的にも機
能的にもカッコイイ!!そんな工業製品を生み出しているD Art。男子
なら一度は憧れたことがあるはずのことを憧れで終わらせず、形にしてい
く山下社長。自由に、無邪気に、最高に楽しい取材を岐阜聖徳学園大学2
年の石原くん、滋賀大学3年の小関さんが満喫してきました。

「かっこいい」「おもしろい」そんな言葉が飛び交った。
日本、世界へと次々に新しい製品を世に送り出している企業「D Art」。
主に車のデザインから製作までの全ての作業を行い、さらに障がい者向け
の支援ロボットの開発を手がけている。会社自体は、山下泰弘社長のご自
宅のガレージを作業場所とし、取材時は5、6名程と少数でお仕事をされ
ていた。一見、町工場とも見て取れるが、山下社長にこの会社「D Art」
の魅力を感じた。

山下社長は高校生の時から、自分の作った車に乗りたいという夢を持ち、
自動車メーカーに就職。しかし、大きな企業ともなると自分の意見、アイ
ディアをまともに聞いてもらえない。給与や生活は安定していたものの自
分のやりたい事ができない。そんな思いから独立し、自分の頭の中に描く
アイディアを形にしてきた。2階の事務所では、タブレットを見せながら、
過去に造り上げられたものや、作製には至らなかった山下社長のひらめき、
アイディアを楽しそうに話してくださった。ホームページでも見ることが
できる前輪が2つあるバイクや、障がい者の装着型支援ロボットの他に、
魚釣りが趣味である山下社長ならではの、魚を掴むときに使用する道具や、
ミニクーパーの形をしたランドセルのようなカバン、はたまたフェラーリ
をモチーフにしたソファーや灰皿まで。トイレで使うスッポンに鼻毛剃り
を組み合わせたものを紹介された際には、思わず笑ってしまったが、それ
らは全てにおいて、かっこよさ、面白さがとことん追求されている。

現在は1kmほど離れたところに山を削って、より大きな作業場を建築中で
ある。またそこには仕事をする場所だけでなく、バーベキュー場や桜を植
えてお花見をする場所、陶芸ができる場所やハイキングコースなども考え
ているとのことで、そこにも山下社長のユニークさや遊び心が溢れている。
「リスクは後悔すること」。セミナーには行かない、参考書は読まない、
そんな山下社長のオリジナリティーあふれる言葉である。自分がおもしろ
いと思ったことに対してまずはやってみる、その中で試行錯誤しながら作
り上げていくというスタンスにとても憧れをもった。しかし失敗は怖くな
いのだろうか?その問いかけに、「失敗は無い。小さなミスはあっても、
そこを潰していくことによって成功に繋げている。成功するまで続けるか
ら成功なのであって、その過程を楽しんでいるだけだ。」と少年の様な笑
みを浮かべながら応えてくださった。ある意味、ここD Artの空間という
のは、小学生の図画工作の時間と似ているのかもしれない。

頭の中で思い描いた理想を、人は実現し切ることが出来るだろうか。多く
の人は目の前のリスクや未体験の不安から、断念、あるいは妥協しうるこ
とも少なからずあるだろう。どんなに無駄な発想でも、嬉々として実現す
る。それが株式会社D Artだ。

D Artは知る人ぞ知る、アイデアを売る企業だ。工業デザインや商業デザ
インの企画・設計から、試作品の製作、工業部品・製品の製造、販売まで
幅広く携わる。工業と聞くと、自動車製品や機械部品を思い浮かべるだろ
うが、D Artはそれだけにとどまらない。自動車ともバイクとも言い難い、
フロント二輪スイング機構のトライクバイク鋼「HAGANE」や、決められ
た机に固定せず、障害者自身の腕に直に取り付けるアームロボットの製造
・開発に取り組んでいる。工業品であれば、“何でも”作るのだ。
“何でも”作るその背景には、膨大な「アイデア」がある。山下社長が見
せてくれたデザインリストには、数えきれないほどのデザイン案が掲載さ
れていた。これらの案はどこから降ってくるのか。山下社長は笑いながら
語る。「日々目にするどんな製品に対しても疑問を持つことから始まる。
もっとこうすればとか、自分だったらこうやるとか。」

D Artは、大企業でないからこそ活きるという。多くの企業は問題である
ことを問題視する。本来は問題に対する解決策を見出していかなければな
らない。失敗しうることでもやってみる。理論よりも、トライ&エラーの
精神を重んじている。「センスや頭の良さはいらない。天才と呼ばれる人
でも、工夫をしなければ人よりちょっとできるというだけ。平凡な人ほど、
自分がどうしたいのかを考える。考え続けることで、相手がついていけな
いものをつくることが出来る。」常にアンテナを立てて、解決策を見出す。
これが、企業にとって大切なことだという。

山下社長の発想は終わることを知らない。トイレのすっぽんと鼻毛切りの
結合製品。フェラーリ車のようなハイヒール。自宅から病院まで患者を運
ぶセンサー。「一見、無駄のように見える発想でも、無駄を喜ぶことが必
要。思い付いたらすぐ動き、すぐやる。大事なことは、続けること。続け
ないから失敗になる。」そう話す社長は、一企業のトップの顔ではなく、
子供のような開けた笑顔だった。この人には不安がないのだろうか。普通
の人では後先の失敗を恐れるがあまりに、軌道を外れた行動を選びたがら
ない。「一番のリスクは後悔すること。」以前は大手自動車メーカーに勤
め、20代で年600万稼ぐほどのエリートだったという。しかし、思い
付いた案を実現しても、周りには受け入れられなかった。退職を考えども、
家族から反対された。自分の力でできるはずなのに、やりたいことが叶わ
ない環境。自分の気持ちと環境の食い違いから、とうとう数百メートルも
歩けないほどのパニック障害にまで陥った。「今の環境は本当によい。や
りたいことがすぐできる環境。独立したことは、自分にとって全てよかっ
た。」
小学校の図工の時間に夢中になり、輝き出す子ども。山下社長からそんな
雰囲気が湧きでている。そんな社長をはじめとするD Artには、これから
も目が離せない。


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