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青果(野菜・果物)を大手スーパー、中小小売店、外食産業、学校・病院
・福祉施設など、多種多様のお客さまに合わせて幅広く安定供給している
カネ井青果。美味しいものを供給している藤井社長が大切にしているもの
は何か。愛知淑徳大学2年の長瀬さん、高木くん、清藤さん、加藤くんが
味わってきました。

私たちに馴染みのある大手スーパー、外食関係などのニーズに合わせて野
菜や果物の仲卸を担う企業、それがカネ井青果である。売り上げよりも
「福利厚生の面で一番を目指す」この会社には結婚記念日休暇、家族休暇
や配偶者人間ドッグ制度など一風変わった福利厚生が充実している。この
制度は、社員の家庭からも認められる会社になろうという、藤井社長の、
社員の家族も思いやるという考えによるものだ。朝が早い仕事なので家庭
の理解を得にくい部分もあるが、家庭の応援があれば社員の大きい原動力
になるそうだ。
そしてカネ井青果の魅力として「社員の家族や兄弟がカネ井青果に入りた
い、と言ってくるケースが多い」ということを一番に挙げたいと思う。社
員が自分の会社に誇りもなく会社に満足していなければ、話を聞く家族は
ぜひ入りたい、とはなり得ないだろう。そして家で会社の愚痴ばかりを聞
いていてもまた入りたい、とはならないだろう。カネ井青果はそれほど社
員の誇れる、居心地のよい居場所となっていた。ほかの会社を見ていても
この現象はめったにないことであったので、大きなカネ井青果の魅力だと
感じた。

二つ目の魅力は「社長と社員の信頼関係」である。
全国の農家を周り、一週間のうちほぼ会社にはいないと言う藤井社長では
あるが社員をいじったりからかったりする仲の良さが印象的であった。そ
んな藤井社長に対し、ある社員のすごいと思うところを質問すると、すぐ
にいくつも答えが返ってきた。このことからも愛情を持って社員のことを
見ていることもよくわかった。「新規事業を始めて売り上げが2倍になる
としても、社員の生活水準が下がるならばやらない」という強い言葉から
も、藤井社長が社員を大切にしていることが伝わってきた。社長は彼ら社
員がいるから私も生活できていると常に考えているそうだ。

藤井社長の野菜愛も話せばすぐわかるほどで、植物は人間と一緒だという。
「青果に関係ない事業はどれほど利益が出ようと絶対にやらない」とも断
言するほどであった。そして、体にいいからではなく、美味しいからとい
う理由で野菜を食べてほしいと社長は語る。

100選で選ばれる企業の中でもこのカネ井青果が稀なのが、「ものをつく
る会社ではない、だから独自の開発した商品はない」という点である。だ
から農家さんなどの人との出会いは財産、刺激であり開発だとおっしゃる
ほど人との出会いを大切にしている。
これからも野菜・果物、農家の方々を愛し続けながら、若い社員の成長を
楽しみにしている藤井社長と、その社長の素敵な考えを受け継ぐカネ井青
果は、魅力が溢れた野菜によく似合うかっこいい方ばかりであった。

私が、この会社を取材させて頂こうと思ったきっかけは、実家が同じ食品
を扱う会社を経営していることから、実家とは違った考え方や制度がある
のか知りたかったためだ。取材の事前準備の段階では、この会社の福利厚
生の面がとてもすばらしいと感じていた。それは、社員の配偶者の人間ド
ックの費用を会社が負担するなど、社員の家族に対するものも充実してい
ると感じたため、一番興味があった。

しかし、実際に取材させていただいて一番すばらしいと感じたのは「信頼
関係」である。これは、社長と社員の信頼、会社と農家との信頼、会社と
消費者の信頼と多くの関係性は信頼関係で築きあげられていることである。
これは、実際に会社に行かなければ、伝わりにくいことである。取材に行
くことで、社長と社員の話を聞かせて頂いていると信頼し合っていること
がとても伝わってくるのである。社長は、社員を信頼して事業や人事など、
多くを社員に任せている。社長は、社員を信頼して任せることで社員が成
長するという考え方をされており、また、社員も任されたことで、やりが
いを感じており、このような関係性は私のなかではとても印象に残ってい
る。また、社長は社員の家族と会社の関係性がとても大切であると言われ
た。これは、社員の仕事に対するモチベーションをあげるためである。社
員の家族が会社のことを良く思ってなかった場合、社員も会社に行きたく
なくなる。そのため、家族が「今日も頑張って働いてこい」と応援してく
れる会社であるため、人間ドックの補助など、社員の家族も福利厚生の面
で支援している。会社の信頼は社員以外にも広がっている。

この信頼関係の深さを示した社長の言葉があった。それは、「会社は自分
のものではない、社員がいるから会社ができている」である。社長という
立場である人でこのような考え方の方がいらっしゃることが私のなかでは
とても衝撃的であった。それと、同時に自分が社員であったら、とてもう
れしい言葉であると感じた。この、取材を通して会社は利益を追求するこ
と、会社を大きくすることだけが大切なのではないことが分かった。もち
ろん会社を経営するうえで、利益や売上はとても大切であるが、その土台
として、人と人のつながりから生まれる信頼関係がとても大切であり、信
頼関係が会社を支えているのだと感じた。

カネ井青果は、仲卸である。全国各地からおいしい青果物を探し求め、大
手スーパーや中小小売店、外食関係に対して販売している会社だ。販売だ
けでなく、企画、提案までも行っている。

「売上1番になろうと思わないが、福利厚生は業界No.1になりたい」と社
長はおっしゃっていた。人間ドックの会社負担、健康に配慮したメニュー
を提供する社員食堂、年に一度の連続一週間の家族休暇を設けるなど福利
厚生を充実させている。最初は、なぜそこまで福利厚生にこだわるのか疑
問であった。この背景には、社長と社員の強い信頼関係や、社員や社員の
家族までも大切に思う社長の強い思いがあった。会社は自分のものではな
い、社員がいるから自分も働いていける。社長は社員と同じ立場であると
考えている。
会社の業務は、朝から夜まで24時間各自で好きなように使ってよく、社員
が自由に決めることができる。これも社長と社員の強い信頼関係があって
こそ成り立つのだろう。

10年後20年後、会社がこうあってほしいというビジョンはないが、20代
の若い社員が主力になって活躍してほしいと考えている。会社が成長する
ことを望むのではなく、人が成長することを望んでいるのだ。また、社長
は野菜への思いが強い。野菜との出会いを「開発」とよび、日々美味しい
野菜を探している。社長のお気に入りの野菜は「スイートキャベツ」とい
うとても甘いキャベツだ。出会ったとき感動したそうだ。一般消費者は野
菜を、「健康のために食べなければいけない」、「体に良いから食べよう」
と思い食べている。そして、価格競争が当たり前となり、消費者は野菜に
安さしか求めていない。野菜がどうでもよいものになりつつある状況から、
美味しいから野菜を食べるというように喜んで食べてもらえるよう変えた
いと社長は考えている。美味しいと思えば体にとって良いものとなり、ま
ずいと思えば体にとって良くないものとなるそうだ。

新入社員の採用は、これから一緒に働く社員が、働きたいと思う社員を自
ら選ぶ。協調性を大切にする社長の思いが感じられる。
協調性や信頼関係こそがカネ井青果の魅力であると感じた。

今回、取材させていただいたカネ井青果は、想像よりずっとアットホーム
な企業だった。

カネ井青果は、青果流通の仲卸企業である。名古屋や長野に支社がありそ
の他関連会社6社を持ち東海圏では、かなりの規模の青果流通卸である。
だが特筆すべき点は、業界でトップクラスの福利厚生である。朝が早く重
い青果を運ばなければならない仕事である青果流通業において、社員を気
遣う福利厚生の充実は、藤井社長からの社員に対する愛情が感じられる。
藤井社長の理念に社員の家族に認められる企業というものがある。それは、
社員の家族から認められれば、社員に対する大きなバックアップになると
いう考えから来ている。その理念に基づき、社員を大事にし、忙しい中で
もコミュニーケーションをとって意思疎通を図ることや、業界トップの福
利厚生の充実などを目指し行動をされている。理念通りに行動してきた結
果、カネ井青果の社員には親族で働いている人が多くいる。社員の息子が
入社したり、奥さんがパートで働いていたりしているのである。社長の行
動が理念通り、社員の家族に会社が認められている何よりの証拠だ。

藤井社長は「会社は、自分と社員共有のもの、勿論自分に責任はあるが、
基本的に業務は任せている」とおっしゃっていた。社員を信頼し仕事をま
かせている。そのため藤井社長は、会社に定時や決まった時間の作業を設
けていない。ほとんど社員任せなのである。これは、藤井社長が社員の皆
さんを信頼しているからこそできることであり、また、社員の方はそれに
応えようといろいろな試行錯誤をする。それが、カネ井青果にいい循環を
もたらしている。

藤井社長のこだわりは、人だけでなく食に対してもある。「青果は、安け
ればいいとほとんどの消費者は思っている。しかし、値段のみで青果を判
断するのではなく、美味しいかどうかで判断して欲しい。美味しいと感じ
るものは人にとっていいものであることは間違いないし、そのいいものを
自分たちは消費者に届けていきたい」と藤井社長はおっしゃった。確かに、
今の日本では長いデフレの影響もあり、低価格志向が続いている。私もそ
の一人だったが、カネ井青果が取り扱っている一玉500円のキャベツを
試食させていただいた時にその考えは一変した。いままで食べてきたキャ
ベツとは全く異なり非常に甘い物だったのだ。藤井社長の好きな野菜はキ
ャベツなのだそうだが、このキャベツを食べているならば納得できる、と
考えられるほど、美味しいキャベツだった。これほど美味しい野菜があれ
ば、消費税が上がろうとも購入する消費者は減らないだろう。カネ井青果
が仕入れる商品は、全て藤井社長が生産者の方に会って仕入れるかを決め
ている。ここでもやはり、人を重視した物の見方をしている。

藤井社長は、「人との繋がりが財産、自分は社員を守っているのでなく、
支え合っている」とおっしゃっていた。常に、社員のこと野菜のことを第
一に考えている魅力的な社長が居るこの会社が今後青果市場にどのような
変化を起こすのか楽しみである。


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