天然水(関市の太古の地層から湧き出るナチュラルミネラルウオーター
「高賀の森水」)の製造、販売をしている奥長良川名水。中村社長の水へ
の想い、会社への想い、社員への想いは、まさに湧き出る水のごとく。愛
知淑徳大学1年の相原さん、近藤さん、岐阜聖徳学園大学2年の置田くん
が、たっぷり感じてきました。
自然に囲まれ、荘厳な雰囲気が漂う中にある奥長良川名水は、天然水や機
能水などの製造、販売をしている。今までに生み出した商品は高賀の森水
をはじめ、約70~80種類あるという。地域の人に愛されるだけでなく、
モンドセレクションでは6年連続最高金賞、iTQi(国際味覚審査機構)
においても4年連続優秀味覚賞3つ星を受賞するなど、世界も認める天然
水を作り上げている。今回の取材を通して、奥長良川名水の魅力だけでな
く、お水の良さについても知ることができた。
奥長良川名水が作るお水は、水本来のおいしさや栄養成分を損なわないよ
う非加熱処理で常温のまま作り上げている。また、製造はすべて機械で行
うので人の手に触れることはない。つまり、ほぼ無菌質のままペットボト
ルに入れることができるということである。口コミなどでは糖尿病の改善
や痴呆症を遅らせるなどの効果があるといわれている。医学的に証明する
のは難しいが、実際奥長良川名水のお水を飲んで生活している社員はみな、
めったに風邪をひかず、健康な人ばかりだそうだ。社長である中村隆春氏
は、さらにお水の良さを広め、国民を健康にしたいと考えている。
中村社長は交通事故で亡くなられた先代のあとを引き継いで社長になった。
突然社長になり、はじめはうまくいかず、やめていく社員も多くいた。そ
のため、涙を流しながら会社に行くこともあったという。そんな社長に社
員は「たまには笑顔で会社に来てください」と声をかけたそうだ。社長が
会社の雰囲気を作っているということである。そんな社員の意見を取り入
れ、仕事も任せることができているのは中村社長が社員のことを信頼して
おり、社員もまた、社長を信頼しているからだろう。
中村社長からは、奥長良川名水が作る商品に対しての思いはもちろん聞く
ことができたが、それよりもお水そのものにたいしての思いの方がわたし
は強く感じられた。数時間での取材でわたしが感じることができたのなら
ば、社員の人たちはもっと社長の思いを分かっているはずだ。だからこそ
同じ思いで働くことができ、今までの商品を作ることが出来ているのだと
感じた。中村社長はこれからもっと国内の需要を伸ばしたいと考え、新た
な機能水の開発にも取り組んでいる。会社一丸となって喜ぶ水を作りたい
という思いが、奥長良川名水の魅力の理由の一つと言える。
人が生きていくなかで最も必要な水を製造、販売している奥長良川名水株
式会社。今回、2代目である中村隆春社長に話を聞かせてもらった。この
会社は、水に対して強いこだわりを持っている。年間数十万人もの人が汲
みに訪れる岐阜県洞戸の天然水をパイプラインで工場まで運び、フィルタ
ーを使った非加熱処理で、水本来のおいしさを損なわないようにしている。
また、工場内は、水のろ過からペットボトル、キャップの洗浄に至るまで
最新の衛生技術で全て機械が行い、無菌の状態を保っている。
中村社長は、社員と従業員が一番大事だとおっしゃっていた。中小企業は
大手企業に比べて給料や待遇面が厳しいところが多いが、奥長良名水は給
料、退職金ともに高く、社員は会社に教育ローンも借りられる。また、毎
年全社員で社員旅行にも行く。わたしが社員、従業員を本当に大事にして
いると思ったことは、社員、従業員に「交通事故に気をつけなさい。」と
の言葉だ。雪や大雨のとき、1本電話をくれれば遅刻してもいいという。
これは、先代の社長を交通事故で亡くされ、同じことがおきないように社
員、従業員、さらにその家族を思ってのことだと感じた。
さらに毎日、社員、従業員で読む社是があるのだが、ここには中国の古典
の「飲水不忘掘井人」と書かれている。「初めに井戸を掘った人を忘れる
な」という意味であるが、ここには奥長良川名水株式会社を作った船戸行
雄初代社長を思い、初心を忘れず、製造販売、商品開発に至るまで、社員、
従業員とともに会社を大事にしているという意味もこめられているのだな
と思った。
社長は水に強い可能性を感じていると言う。大学生や教授とも連携し、ア
イデアや問題点をあげてもらい、若者や専門家の意見もいれつつ、新商品
開発をしている。中小企業ならではの小ロットで製造できるメリットを生
かし、売れなかったらすぐに次にいけばいいという社長の考えのもとだか
らこそ新商品にむけて力をいれることもできる。また、平成24年1月には
東京事業所を設立。都会の人が必要としている水をリサーチし、「幅広い
ところでお客様に喜んでもらえる商品を作りたい」という社長の野望をと
ても強く感じた。おいしい水は前提として、健康で安全な水を作る。これ
からも、現状に満足せず、会社をもっとよくしたいという社長の信念のも
と、消費者が求めている水を作り続けてほしい。
奥長良川名水は水の可能性を信じ、人が喜ぶ水を作っている会社である。
奥長良川名水には大切にしたい経営理念が4つあり、その中でも、取材を
通して感じた奥長良川名水の魅力にも繋がる理念を2つ紹介したい。
一つ目は「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に世界中の人に当
社の水を提供し健康で明るい家庭を築いてもらう」。二つ目は「社員・従
業員全員が、この会社に勤めて良かったと思う会社にする」ということで
あった。中村社長と社員の関係は相思相愛のような関係であった。中村社
長の考えとして働く時は働き、休む時は休むとメリハリをつけ、社員には
有休をしっかりとってもらう。営業でノルマが達成できなかった時などは、
なぜできなかったかみんなで考え、達成しなかったからといって給料を下
げることはないという。飲み会の席などでは社員一人ひとりから話をしっ
かり聞き、 大雨や大雪などで遅刻しそうな時でも“安全第一”と考え「事
故を起こさないように気をつけて来てね」と声を掛けると仰っており、社
員・従業員を本当に大切にしていると感じた。
社員も社長の考えを大事にしたり、健康でいることに気を付けて、周りの
人々に心配をかけないようにしたりしている。社員同士の関係は上下関係
はしっかりしているが、 先輩と後輩は自分の考えを意見交流し、その考
え方を認め合い、先輩は後輩がいることで責任が持てるような行動をし、
後輩はその先輩の姿を見て行動する。
奥長良川名水にいる人たちの人間関係を私は家族のような関係だと考えた。
社長と社員の関係は親と子供、社員同士は兄弟。 ここで、最初に書いた
2つの理念を思い出して考えていく。最初に書いた理念の中に「健康で明
るい家庭を築いてもらいたい」、次に書いた理念の中に「この会社に勤め
て良かったと思う会社にする」ということが書いてあった。これを思い出
すとやはり大切にしたい理念から理想とする家族関係を築きたいという願
いが浮き出てくるように思える。取材を通して私が感じた奥長良川名水の
魅力は「家族」をとても大切にしている会社であるということだ。
今回奥長良川名水に取材に行かせていただき、私自身本当に大切だと思っ
ていることを再確認した。それは、「つながりの大切さ」である。