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食品を包装する機械を製造している山田製作所。より良い機械を作るため
に活発な意見が飛び交い、その意見は発注元へもフィードバックされる。
山田製作所が絶大な信頼を得ている理由は何か。山田社長と山田専務に中
部大学3年の赤塚さん、愛知淑徳大学1年の中島くん、岐阜大学2年の伊
藤くんが迫りました。

今回取材させていただいた山田製作所は、岐阜県加茂郡富加町にある食品
の包装機械を製造する会社である。食品包装機械自体はあまり目にするこ
とはないが、私たちがよく見かけるコンビニやスーパーで見かけるパンや
惣菜、お菓子など、その包装はひょっとしたら山田製作所の作った機械で
包装されたものかもしれない。食品包装業界は成長分野であり、国内だけ
でも年に10%の成長をしている。今後も途上国の発展により衛生環境が変
化することが見込まれるのでまだまだ需要は増えると予想される。
山田製作所は主に依頼を受けた企業から機械図面を受け取り、その図面か
ら部品製作、組立を行っている。しかし依頼を受けたものをただ図面通り
に作るだけではなく、製作途中に何か気づいたことがあればすぐに企業側
に指摘や提案をする。依頼する企業側も山田製作所の意見であれば的確で
あると受け止めてくれるという。これほどまでに信頼されるのはそれだけ
高い技術力を持っている証拠であり、魅力の一つである。

それだけの技術力を発揮するためにどんな工夫をしているのだろうか。従
業員が一人ひとり考えて行動するのはもちろん、話し合いの場を設けるこ
とも多いという。従業員皆で相談をし、どうしたら効率よく作業できるか、
この部分をもっとこうしたら良くなるのではないかなど何度も意見をぶつ
け合いながらより良いものを納期に間に合うように話し合うのである。一
人ひとり意見を持っていても普通の会社では言うことが難しいというイメ
ージがあるが、山田製作所では意見を聞き良いと思ったものは取り入れて
くれる。こういった職場環境がさらに活気を与え、従業員の向上心にいい
影響を与えているとともに依頼企業にも意見を言えるようになるのではな
いかと感じた。さらに工場を見学させていただいた時に驚いたのは工場と
いうとどうしても床などが油などで汚れているイメージだが山田製作所の
工場はとてもきれいだということ。少しでも汚れがあれば専務自らが率先
してモップで掃除をするというのである。従業員に言うよりもまずは自ら
が実践する姿勢が従業員にも伝わり全員が実施できている。専務のこうい
った姿が従業員からの信頼を厚くさせ成長していけるのだろう。
就職活動をしていく中で私が重視したい部分が会社内の雰囲気である。山
田製作所を訪問させていただき、自分の働きたい姿が見つけるきっかけを
掴んだように思えた。

私たちは、コンビニやスーパーなどで何気なく商品を購入している。その
商品一つひとつは、ほとんど包装されている。私たちが安心して商品を購
入できるのも包装されているからである。商品が表に出るにはメーカーだ
けの力だけでは難しい。その中で、商品の包装を支えているのが山田製作
所である。具体的には、商品の包装機械の製造を行っている。最初に資料
をみたとき、商品の包装機械の需要は少ないと感じていた。しかし、取材
をする中で機械にも寿命があり、買い替えの時は必ず来ることを知った。
さらに、国内では、食べきりサイズでの包装や、より安心・安全を求めて
個別包装するなど多様な包装ニーズがあり包装技術の需要は拡大の傾向に
ある。国外では、まだ包装という文化が馴染んでいない国が多い。包装技
術の市場は縮小していくのではなく拡大していくのである。また、消費者
は景気が悪いからと言って明日から食品を買わないということにはならな
い。そのため、食品に関して言えば、景気に変動されることが少ない。実
際に、リーマンショックですら、何も影響を受けなかったそうだ。このよ
うに、景気に変動されることが少ないということに最も魅力を感じた。

また、技術の面でも魅力を感じた。普通の会社であれば、依頼された図面
通りに機械をつくる。しかし、山田製作所は依頼された内容に加えて、改
善できるところは提案していくのである。これは、一人ひとりがよく考え、
責任を持って行動しているため、自信を持ち、改善点を伝えることができ
るからではないか。さらに、普段から意見が飛び交っていると聞いた。こ
のように社員同士が言えるようになったのも、山田製作所が職場の環境づ
くりに取り組んでいるからである。山田専務は社員から提案されたことに
はできる限り応えていくつもりだと仰っていた。このような言いやすい環
境を整えていることも、山田製作所の強みであると感じた。

そして、山田専務は何度も「人は財産だから」と仰っていた。「人材では
なく人財である」という言葉が身に染みた。この言葉からも社員を大切に
する思いが伝わってくる。
山田製作所の魅力は、これから成長していく市場に携わっていることと同
時に、意見を言い合える職場の環境であると感じた。山田製作所は多くの
企業から期待されている。しかし、若者の育成が間に合っていない。この
ことが解消されれば、多くの企業からの期待に応えていけるのではないだ
ろうか。

岐阜県加茂郡富加町に位置し、社員12人パート9人の山田製作所、数字だ
け見ると、どこにでもあるような一般的な中小企業で、100選事業の中で
も小規模な企業の一つである。山田専務が大企業の内定を蹴って中小企業
に就職したのには、中小企業には大企業よりも夢中になれる理由があるか
らであった。

まず将来性という観点。山田製作所では食品の包装をする機械を製造して
いる。日常では目にする機会はほとんどない機械である。普段見られない
機械を製造していて、社員の人たちは仕事のモチベーションが上がるのか
という問いに対して山田専務はこう答えてくれた。「私たちの作る機械は
普段見られないけど、私たちの作った機械で作られる製品は目にすること
ができる。」需要が減らない食品の包装という点、日本人は包装によって
食の安心を確かめることに敏感であることから将来性のある仕事分野であ
ると判断できる。新しくやれそうなことはどんどん挑戦していきたいとい
う姿勢は、大企業にはできない中小企業の特権ともいえる。

次に技術力という観点。元々山田社長は印刷機を作る会社に勤めていた。
そこで培った技術を生かし、上手く事業展開できたのが同業他社を寄せ付
けないこの会社の強み。小規模企業でありながら、親会社からの注目はア
ツイ。親会社に提案しながら機械を製作し、試作を提案。子会社にありが
ちな親会社からの依頼を黙々とこなす作業ではなく、よく考えて自ら親会
社に提案できるのは山田製作所の魅力であると思う。そのため、社員の技
術力は高く、責任感も強い。少人数だからこそ成り立つチームワークも技
術につながる強みだという。

最後に働きがいという観点。元々就職活動の際は大手企業志向だった山田
専務。就職活動中に勧められたメーカーが偶然にも山田製作所に包装機械
の製造を依頼してきた企業であった。運命を感じた山田専務はメーカーに
就職。そこで設計の経験を積んだのち、山田製作所に入社されたそうだ。
実際に意見が通りやすく目の行き届く現場に就いてみて、自分自身に仕事
が与えられて傾倒できる会社の良さを知り始めたという。今すごく仕事に
働きがいを感じているように見えた。

以上の将来性、技術力、働きがいの三点は中小企業だからこそよりわかり
得ることなのかもしれない。大企業にはない夢中にさせるものを持ってい
る、それが中小企業。近い将来には社員数を30人規模にし、会社としての
組織を体系化していきたいという。まだまだ発展途上の山田製作所だから
こそ、中小企業ってこんなにいろいろなことに挑戦しているのか!興味深
いのか!という再発見、より中小企業の良さを知ることができた。


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