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オーガニック食品の製造販売、輸出入をしている桜井食品株式会社。オー
ガニックにこだわる理由、商品開発のアイデアの源は何なのか。名古屋女
子大学2年石早さん、愛知淑徳大学3年稲垣さん、中京大学2年石早さん
がたっぷり伺ってきました。

桜井食品はまさに中小企業でしかできない、かゆいところに目を向けた食
品の製造・販売を行っている。商品は乾麺、即席麺で、主にアレルギーの
人やベジタリアン向けの食品を手がけている。最近ではイスラム教徒用の
ラーメンを商品化しようとしている。大多数の人を相手にする大企業に対
し、大多数の枠から漏れた人に焦点を当て、他の会社には出来ない役立つ
商品を作ることを社長は桜井食品の意義としていた。それは利益よりも社
会的必要性を重視する会社の意向であり、人がやらないことを仕事にする
社長の意志であった。競争することを嫌い、他の会社がやり始めた仕事を
やめることもある。それが個性的な商品を作る理由の一つにもなっている。

個性的な商品を作り続けるために桜井食品では社員が毎月1枚以上、提案
か改善案を出すことになっている。社員が常に試行錯誤することで、桜井
食品は今日も新しい商品を生み出しているのである。インタビューとして
社員の矢木さんと大木さんにお話を伺った際、提案書を書き始めたことで
営業先の相手を思い浮かべ、その対策を考えたり、一日の時間の使い方を
考えたりするようになったと仰っていた。現在商品化を考えているイスラ
ム教徒用のラーメンの背景として、イスラム教についての勉強も、空いた
時間を見つけては自主的におこなっているらしい。社長の願い通り社員は
考えることが癖になっているようだ。

桜井食品は食べることに困っている人に向けて役に立つ商品を作っている。
それは競争を嫌い、他の会社では作っていないものづくりのためというよ
りも、桜井食品にしかできない存在価値を誇りとしているからだろう。利
益よりもやりがいを追求したものづくり。そしてそれは、在日イスラム教
徒18万人が「美味しい」と広めてくれたとき、市場は世界のイスラム教
徒・20億人に拡大する。このように利益は後から付いてくるものと社長
は考えている。そうして今日まで桜井食品は人に役立つ商品を作ってきた。
これからもなくてはならない会社として、桜井食品は人々に愛され続ける
だろう。

桜井食品では無農薬・無肥料にこだわった乾麺・即席麺を製造している。
アレルギーやアトピーの方が増えてきている現在、食べるものが制限され
ている方が増えた。また、宗教上の関係で食べられない食材がある方もい
る。そんな困っている方のために商品を作り、それらの方から「あって良
かったね」と言ってもらえることを存在価値のある会社と考えている。そ
のため、桜井食品では、常に困っている人のためにどのようにしたら良い
か考えている印象を強く受けた。儲かることよりもお客様に喜んでもらう
ことを優先している。桜井社長は、お客様に喜んでもらうことが売れる商
品だと考えている。

常に考える癖をつけてほしいという桜井社長の社員に対する想いから、毎
月社員に向けてお便りを発行し、その中には毎回クイズを載せている。そ
れは社長がマーケティングや経営戦略の本を読んで作っている。他にも常
に考える癖をつけるために行っていることとして、5年前から社員に対し
て会社の提案・改善案を提出してもらうようにしている。社長がすべてに
目を通し、提出すると1つ300円、良いと思った提案にはさらにボーナス
金を社員に出すようにしている。今年の9月からの3ヶ月間では、約150枚
もの提出があった。これらの社長の働きかけで社員である営業の矢木さん
は、「常に考える姿勢になり考える力がついた」という。

また、桜井食品では何事にも即実行を心がけている。先ほどの改善案で良
い提案はすぐに業務に取り入れるようにしている。他にも、お客様との話
や意見から商品の放射能情報やレシピなどが見られるように、商品パッケ
ージにQRコードの取り付けもおこなった。

さらに、桜井社長はイスラム教の方をターゲットにしたラーメンを製造す
ることを計画している。イスラム教といえば、食の制限が厳しい宗教であ
る。その厳しい制限をクリアして、かつ醤油や味噌の文化がない方の口に
合うように試行錯誤した。醤油や味噌を口にしたことのない方に向けて醤
油や味噌のラーメンを考えるのは、事例もなく難しいことだと思う。しか
し、桜井社長はこのような条件でもニーズを生み出す姿勢がある。今ある
ものに新しい価値を生み出す、誰もやったことのないことにチャレンジす
る会社である。

桜井食品は「人」を大切にしている会社だと感じる。オーガニック食品を
取り扱う桜井食品。桜井社長の祖父という身近な人が食で苦しむ姿を見て、
オーガニック食品に興味をもち始めた。

そのこだわりは、何と言っても徹底した「食」への安全であろう。桜井食
品はラーメンを筆頭に、麺類を主に取り扱っている。桜井食品の取り組み
の特徴の一つはうどんとそばの機械を完全に別離している点である。これ
らは従来、同じ機械で作られることが多い。しかし、たとえどんなにきれ
いに掃除をしていても、そばのアレルギー反応が出ないとは言い切れない。
近年食物アレルギーで苦しむ人口が増えている中、このような地道な取り
組みが消費者の安心に繋がってくるのだろう。また、桜井社長はイスラム
教の人が食べられるラーメンを開発している。「豚肉禁止」という宗教的
規制は単に口に運ぶことが禁じられているだけではない。例えば豚肉を切
った包丁や、豚の毛が使われたブラシなど、消費者が目で確認ができない
ことであっても禁じられているのである。そのため日本で暮らすイスラム
教信仰者の食はこれまで、安心とかけ離れていたのだ。桜井食品ではイス
ラム教の人でも安全に食べられる工夫がされている。

そんな社長の醍醐味は「人がやらないことを仕事にする」ことである。
「食」という人間に最も不可欠な部分で困っている人の笑顔を見たい。そ
のため、マーケットは狭くても必ず需要はある分野にアプローチし続けて
いる。長い時間を費やして、お客様の評価をコツコツと上げる仕事方法は
骨が折れることもしばしばあるが、売りあげは後から必ずついてくるもの。
そう信じる社長の目はきらきらと輝いていた。


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