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人々の生活に密着している「紙」という素材。
その「紙」のあらゆる可能性を追求し続けている、大福製紙株式会社の魅
力を岐阜大学3年山口くん、南山大学3年宮田くんが探ってきました。

紙の持つ無限の可能性を想像できるだろうか?大福製紙で作られる紙製品
では、両面テープ用原紙やあぶらとり紙をはじめ、電解コンデンサーのセ
パレーター用原紙や、ニット製品用原紙など、身近に紙と認識できるもの
から、工業資材用原紙や生活資材用原紙のような紙として認識しづらいも
のまで幅広く生産されている。どんな場面に紙製品が隠れているか、気づ
けるだろうか。

大福製紙は昭和9年創業以来、和紙の持つ「均一で、薄くて、強い」とい
う性質を生かしお客様の様々なニーズに答えてきた。時代の変化とともに
ニーズが変わっていく一方で、そのニーズに答えるためのエッセンスとし
て松久社長は、「お客様とよく話し合うこと。用途や使用する場面を想像
すること。これができれば、必ずニーズに答えられる」とおっしゃってい
た。

もちろん、お客様のニーズに答えるための技術は重要だ。紙にどんな性質
があればいいのか、どんな加工を施してあげればいいのか、想像し、形作
らなければならない。大福製紙では、和紙の持つ「均一で、薄くて、強い」
性質を生かして製品開発する方法と、原紙に加工を施すことで紙に性質を
付加して開発する方法の二つで主に製品開発されている。性質を生かす方
法では、出来上がる製品にあわせて原料を選んだり、掛け合わせたり、ま
た、機械での漉き方によって生かす性質を生み出している。しかし、伝統
のある職人による和紙作りがベースにある以上、水の温度や流れ、材料の
違いによって人の手によって機械に変化を与えなければならない。すべて
を機械に任せるのでなく、人の手によって品質管理がなされているからこ
そ、安定した均一な紙を提供できるのである。また、半世紀以上にわたる
技術ノウハウを駆使するとともに、新たな性質をもった新製品を研究・開
発するためにも力を注いでいる。社員の1割を研究開発に投入することで、
常に新たな製品、紙の持つ可能性を探求し続けている。表面加工をして生
み出された製品の中には、テーブルクロスやカーペットからの滑り止め等
に使用する防滑性シートや燃えにくい防炎シートなど、新たな紙製品が生
まれた。

このように、大福製紙では様々な方法で紙の持つ無限の可能性を追い続け、
新たな紙製品を生み出している。こんな紙製品があったら便利だ、こんな
紙製品があったら面白い、などお客様の声が新しい可能性を持った製品を
生み出す原動力になるだろう。また、新たな可能性を見いだせれば、いろ
んな分野に紙製品を提案し続けることができるだろう。大福製紙は、紙製
品に様々な希望を見出すことに余念がないと感じた。

1. 地域に密着した研究開発型企業
大福製紙は、岐阜県美濃市長良川のほとりで、地域に密着しながら紙を作
り続ける製紙会社である。岐阜美濃和紙の伝統を受け継ぎ、ハイテク技術
や機械化を取り入れながら、機械漉き和紙を主に製造する。元々は紙問屋
から始まり、日本の工業化に合わせて機械漉き和紙を作り上げ、工業用品
から生活用品まで様々な紙製品を生み出す。「優れた製品を作り社会に貢
献する」を願いとして紙の持つ無限の可能性を追い求める。昭和9年創業
以来80年、大福製紙は地域に密着した研究開発型企業である。現在では
海外にも製品を売り出すことを考えている。

2. ニーズに合わせて、紙に付加価値をプラスする
大手の製紙会社は、大きなマーケットとシェアで用紙を大規模に生産する。
松久社長は、大手ではやらないことを考え、「紙の様々な可能性」を語る。
職人的な技に工業化を組み合わせ、機械漉き和紙の様々な可能性を広めて
いる。素材にこだわり製品を加工することで工業資材用原紙や生活資材用
原紙など、人々の生活を豊かにする紙製品を生産してきた。1日3回品種
替えを行い多品種少量生産でQCDを向上しながら、主に工業資材用原紙
を手掛け大手メーカーや工場に素材を提供する。工場の人々と打ち合わせ
するなどして紙に何が求められているかを常に考えている。新しい紙製品
のアイデアも広く募集しており新製品開発に力を入れている。社員に対し
ては「豊かに生きてほしい」という思いがあり社内教育にも力を入れ、積
み重ねと充実感を感じ取ってもらう仕組み作りに意欲を見せる。大福製紙
は、社員を登用して、ニーズに合わせて紙に付加価値をプラスしている。
日常私達の回りに当たり前のようにある紙だが、社員の方々はその紙に
「紙ならできる」という思いを込め、優れた紙製品を作り続ける。

3.国内の紙製品需要を増やしていく
大福製紙の今後の展望は、メディカルや食品の分野で活躍することである。
そして国内の紙需要を増やしていくことである。現在、タブレット機器や、
IT産業の発展により新聞や本などの紙需要が減りつつあり製紙業界全体
がピンチとなっている。大手の製紙会社も色々なものに手を出し海外へ目
が向けられ始めている。しかし、紙には数千年の歴史がある。「国内で使
われる紙製品を増やしたい」と願い、環境との調和を図りながら、幅広く
紙の無限の可能性に挑戦している。毎年10月に紙祭りをするなどして、紙
製品を通して地域を盛り上げたいとも考えている。


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