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日本を代表するブランド牛「飛騨牛」。その名づけ親である株式会社吉田
ハム。飛騨牛を陰で支え、消費者に安全・安心を届けつづけている同社に、
杉山女学園大学3年天木さん、名古屋市立大学谷川由次くん、岐阜大学伊
藤慎くんが伺いました。

日本人で、“飛騨牛”という名を知らない人はいないだろう。“飛騨牛”
と名付けたのは他でもない、株式会社吉田ハムである。昭和55年に
“飛騨牛”の商標登録を行い、いち早くブランドとして世の中に送り出し
た。すると当時の副知事(後の梶原知事)に、「“飛騨牛”という名前を使
わせてほしい」と頼まれた。その依頼を承諾したことで、“飛騨牛”の名
は、世の中に知れ渡っていった。国産の牛肉のうち、4~5%を扱って
いるので、約20人に1人は吉田ハムの肉を食べていることになる。

吉田ハムが、商品をつくる上で重きを置いていることは、自社の生み出し
た商品を食べた人に満足感を与えることである。そのためには、手軽さや
安心感が必要であると考えている。多くの会社が、手間が掛かるため処分
してしまうような部位であっても、加工という形で有効活用を行っており、
身近に食べてもらえるような商品づくりを目指している。また、レトルト
食品や炊き込みご飯などは、スーパーマーケットなどに並んでいる、大手
メーカーのものと比較すると、少々高めの価格設定のように思える。しか
し両者を口にしてみれば、その差は歴然。食べた後の心に残る満足感が違
うのである。現代の商品づくりは、とにかく安く作ろうというコスト追求
志向になっている。しかし、社長は言う。「コストを追い求めるというこ
とは、ものづくりの作業行程を省いているということである。本当に美味
しいものをつくり出すためには、逆にひと手間かけなくてはならない。コ
スト追求だけにこだわり過ぎずに、やむを得ず省いていいこと、何が何で
も省いてはいけないことをしっかりと見極める目が必要である」。また満
足感の向上に努めているため、新商品開発にも積極的である。是非ともア
イディアや行動力のある若者の力を借りたいと言っている。また、消費者
の満足感を高めるためには、つくり手側の満足感も高くなければならない
と、社長さんは言っている。ストレスのかからない職場づくりを目指して
おり、年代・性別が異なる社員一人一人のことを、自らの尺度だけでは測
らずに、きちんと理解しようと努めているそうである。

誰もが幸せを感じられるようなものを、世の中に提供していきたいという
会社全体の強い思いが伝わってきた。

社長の取材の中にたびたび出てくる言葉に「満足感」という言葉があった。
この言葉にはまずお客様が安全安心かつ高品質の食品、すなわちトレーサ
ビリティという食品管理システムで、お客様に届く食肉の安全確保や一手
間をかけた食肉、お客様のニーズに合った価格、品質の食肉をお客様が安
心して食べられるという満足感を感じていただきたいという社長の思いが
ある。さらに、社員の観点から仕事のなかに楽しさや辛さだけでなく丁寧
な仕事をしたことによる充足感、先に述べたトレーサビリティにより不具
合が起きても混乱することのない作業体系を確立することで生まれる安心
感を大事にする中で、満足感という思いが生まれたのだと思う。社員が仕
事に満足感を感じ誠実に、まじめに仕事が行われることでより良い品質の
製品が生まれ、それを買い求めるお客様が満足を感じるという良い循環が
出来上がっていると思う。そのために社長はストレスのない職場づくりを
心掛けていらっしゃった。

飛騨牛にいち早く目を付け商標登録を行い、知事とともに飛騨牛の存在を
世に広めることに努め、飛騨牛が全国区になり新しく「飛騨牛ビーフカレ
ー」を作り、さらに北海道士幌町で「しほろ牛」を作り第二のブランドと
して成長させた。そしてこの先の展望を伺うと、年を重ねても活力のある
生活を送る助力となりたいであったり、単純な欧米化でなく日本人に合っ
た精肉をということで、健康に良い赤身部分の食肉の開拓に力を注ぎたい
ということだった。ここにもやはりお客様の満足感を高められるようにと
いう社長の思いが込められていた。さらに当初から心掛けていることで、
社会に必要とされる会社になるというのがある。ここには、下請けになる
つもりなどなく自分たちが町を変えてやるという思いを胸に、お客様のた
めにということで、例えばレトルトカレーの中に入っている飛騨牛を一度
焼いて味を凝縮させてから入れたり、地元で人気のハムカツはお肉を揚げ
る時に動物性の油を使うことで、植物性の油で揚げた時より風味や香りが
増したりするといった一手間を加えることで他の商品と差をつけ、お客様
に必要とされる商品を作っていた。

また、アイデアを加え相手に合わせることでサービスの向上を図りより良
い製品づくりに取り組んでいた。一番うれしいのはおいしかったと言われ
る瞬間だそうで、その瞬間を目指して日々邁進している企業だ。

“満足感”社長の松岡さん、総務部長の野田さんから何度も聞くことがで
きた言葉である。食べた後の満足感を届けたいという想いから、食肉、そ
れを使った加工品を取り扱って4代目。地産地消にこだわりをもち、昭和
55年に飛騨牛を商標登録。飛騨牛カレーはご当地カレーランキングでも
一位を獲得したことがあるぐらい人気だ。他にも、ハムカツ、コロッケな
ど人気商品を多数開発。最近は北海道の畜産農家と提携し、しほろ牛と呼
ばれるブランドで新たな展開を図る。

吉田ハム製品の満足感の裏には何があるのだろうか。日本では数年前に流
行った狂牛病から牛肉の品質管理の徹底がなされてきた。それは吉田ハム
でも同じことで、トレーサビリティが導入された。また私たちが伺ったと
きも、製造工場内に立ち入ることはできなかった。100%の安全が保証
されるまでは、食に厳しい日本人だからこそ、より徹底するのは当たり前
だという。

また安さを求める故に、手間を少なくして生産をしようとする方法はいく
らでも聞いたことがある。しかし吉田ハムでは満足感を求めるために、逆
に手間を増やし必要だと思えばどんどん追求していくという。工夫しなが
らコストを最小限におさえ、大手に対抗する。安さだけを求めていては最
高の満足感を消費者に届けることはできない。その考えが消費者をつかん
でいるに違いない。

消費者に安全で美味しい商品を届けることは、自社製品に誇りを持つこと
ができ、働きがいにつながり、消費者の満足感だけでなく従業員の満足感
にもつながっている。吉田ハムでは飛騨牛を通じて、消費者にも従業員に
も満足感を与えているのである。

常に未来を見据え、時代のニーズに合わせた商品を展開している。これか
らは年配の方をターゲットにする見込みで、健康=魚という概念を覆す日
も遠くないかもしれない。未来の満足感をも追求し、柔軟に広い視点で展
開を図る。安さやお金にこだわることなく、常に満足感を追求し続ける、
吉田ハムでは当たり前となっているその姿勢が、飛騨牛ブランドの人気の
秘訣なのだと感じることができた。


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