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一般的には米を計量したり、日本酒を飲む際に使用される枡。三角形のお
ちょこ「すいちょこ」や、檜のカンナくずを活かして作られた加湿器「マ
スト」など、多彩なアイデアで、現代に合う商品を提案している大橋量器
は各メディアでとりあげられることもしばしば。大橋社長のこれまでの想
い、そしてこれからの夢を、岐阜大学1年の吉村さん、愛知淑徳大学2年
の工藤くんがうかがいました。

私が初めて枡を手に取ったのは、祖母の家で米の計量器として使われてい
た枡であった。長年使われて、角に丸みを帯びた枡の、柔らかな手触りを
今でも覚えている。今回は、そんな昔ながらの日本の道具を、クリエイテ
ィブな姿かたちで世に送り出している大垣の企業、大橋量器に伺った。
岐阜県大垣市は枡の特産地で、全国の枡シェア80%を占めている。そし
て大橋量器はその80%を担う5社のうちの一社だ。水門川に面して立地さ
れるその工場は、檜の良い香りに包まれていた。

代表取締役の大橋博行さんは、大橋量器の三代目。幼いころから枡が身近
にある環境で育ってきた。しかし、だからといってその頃から枡に大きな
関心を寄せていたわけではなかったという。「一度、うちが浸水したこと
があってね、そのときうちの枡が流されていったんだけど、それを見て、
はしゃいじゃうくらいだったからね」と幼いころを振り返る。その後、東
京の大学に進学し、そのまま外資系企業として有名な日本IBMに入社。最
先端の仕事を仲間とともにすることに、バブルの勢いと充実感を感じてい
た。しかし、結婚を機に地元で家業を継ぐことに。結婚の報告を実家にし
たところ、その場で「なら継げ」と言われたのだそう。社長は継ぐことに
対して、いつかは継ぐだろうと思っていたので、自然な流れとして受け止
めることができたという。

大橋量器では、工場に「枡工房ますや」が併設している。枡で埋め尽くさ
れた空間は、色を塗った枡や、長方形枡などのいわゆる特注枡をみんなに
見てもらいたいという気持ちをきっかけにオープンした枡ショップだ。こ
の試みのおかげで、マスコミなど外の世界とのつながりができた。そうす
ると、地元の住民が訪れる機会になったりするのだが、そこで「地元の人
々が大垣市が日本一の枡生産地であることを知らない」ことを初めて知っ
た。それからは、市民に向けての情報発信に取り組むようにもなった。ま
た東京ギフトショー等県外へ発信していく際に、、お客さまに手に取って
もらえる商品の開発の必要性を感じ、デザイナーとのコラボを重ねていっ
た。さらに、新しい挑戦を求めて夢の国アメリカで行われたニューヨーク
ギフトフェアにも出品するなど、精力的だ。

とにかく行動することをモットーとしている大橋社長。夢は、「ドイツの
品のいいセレクトショップで、センスのいいお洒落なおやじ二人が、枡商
品を手に取って『これ、日本の大橋量器ってとこの枡なんだぜ』と会話す
る風景を作ること」。ものづくりの国、ドイツでハイセンスなものとして
受け入れられている様子を想像して、私もわくわくした。

今回の取材を終えて、地元の魅力とは何かを見つめなおすことができた。
大橋社長曰く、「大垣はすばらしい。何でもそろっているし、自慢すると
ころがたくさんある。」この町で、これからも生きていきたいという思い
を強めてくれる言葉だった。そのためにも、今後この町に対して自分でで
きることを考えていきたい。例えば、ギフトに大垣の枡をチョイスすると
か。

大橋量器は、大垣市にある日本の伝統品「枡」を作っている会社である。
この枡であるが、なんと大垣が日本の枡の約8割を生産している。社長は
大橋博行氏、とても気さくで明るい雰囲気を持った方だ。早速大橋社長に
枡の販売をしている「枡工房ますや」に案内をしていただいた。

一歩足を踏み入れると檜の香りが漂い、なんだか安心する。そんな訪れる
人を包み込む雰囲気がある「枡工房ますや」。ここには、沢山の枡が置か
れている。さまざまなサイズの枡は勿論、枡の時計、枡のストラップ、枡
のペン立て、枡の入浴剤など多岐に渡る。私の枡のイメージは、お米を量
ったりお酒を飲んだりするために使用する道具という考えが強かったため、
ここまで枡を使ってあらゆる表現が出来るのかと本当に驚いた。

大橋社長は、大橋量器の3代目であるが枡屋を継ぐことに初めから積極的
であったのかというとそうではない。大橋社長は大学卒業後、外資系のIT
企業に就職をした。そこでの仕事はとても充実していたそうだ。会社の雰
囲気もとても良く、教育制度も充実していて、そして何よりも時代の最先
端を担う華やかな仕事ということで満足していた。

そして社会人生活を堪能している中、付き合っていた彼女と結婚を決め親
に報告をしに行った時に3代目として大橋量器で働くように言われた。葛
藤はあったが、いつかは継ぐということは常に頭の片隅にあったため、社
長になることを決意した。

そして社長に就任し、初めはIT企業にいたこともあり時代の最先端を担っ
ていた時のギャップからなかなか本腰が入らなかった。しかし、これでは
まずいと気持ちを入れ替えて頑張り始めるようになる。枡と真摯に向き合
い、会社を少しずつ成長させていった。

どうしてここまで会社を成長させ、あらゆる商品を生み出すことが出来る
のか。その秘訣は、社長のノーと言わない経営にあった。大橋社長が仕事
を継いだ当初は、四角形の枡ばかりで変わった形の枡は作っていなかった。
しかし、お客さまからはそれぞれのニーズに合わせた枡が欲しいと要望が
入る。ここで普通なら作るのは難しいと首を横に振る人もいるが大橋社長
は違った。なんとかその要望に答えたいと試行錯誤をし、沢山の商品を色
々な人と協力しながら作り上げてきた。
この枡をもっと多くの人に見てもらえるようにと、私が案内された「枡工
房ますや」がオープンし、大垣市民は勿論、観光客、マスコミにも注目さ
れるようになった。
ものすごい速さで前進し続ける大橋量器、これからのさらなる前進が楽し
みだ。


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