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お土産を買う際に決め手となるものは何だろうか?特にこれと言った名産
がない土地であればパッケージで選ぶことも多いのではないだろうか。観
光土産物品のパッケージ印刷に特化し他社との差別化をいち早く図ったこ
とで、斜陽なイメージがある印刷業界とは裏腹に勢いのある大鹿印刷所。
名古屋外国語3年の気賀沢さん、井上さん、浦田さんがその強みを探って
きました。

なばなの里、東京ディズニーランド、ユニバーサルスタジオジャパン、ス
カイツリーなど多くの人が知っている場所で売られている観光土産のパッ
ケージは、この会社によって考えられたものかもしれない。この会社では、
食品の包装や箱などのデザイン、企画から製造まですべての工程がひとつ
の場所でできる。扱っているものの多くはお菓子関係であるが、佃煮や海
苔のパッケージもデザインしている。なぜ食品専門の印刷なのか。それは、
新聞や紙媒体のメディアが消えたとしても人間がいる限り食品はなくなら
ないからである。

デザイン部に所属しているのは250人中約55人ほど。紙器設計課では、お
客さまが組み立てやすいもの、手作業がなるべく少ないものなどを考えて
いる。バームクーヘンが入っている箱が剣の形をしているなど、ほかにな
い形、新しいものを常に求めている。デザイン部では、ただデザインをす
るのではなく、「こんな食品パッケージならもっと売れる」などの企画提
案型のデザイン制作を行っている。その提案は、まず全国の売り場を見に
行くことから始まる。現場を見に行くことでそこで起こっていること、顧
客のニーズ、雰囲気などがわかる。商品が売れないと困っているお客さま
の話を聞き、問題解決もする。デザインとは人とモノを結ぶ仕事であり、
コミュニケーションが大切である。デザイナーもお客さまの悩みを聞き、
要望を知ることで、先方の依頼に合った商品を作ることができる。営業の
出張にデザイナーが一緒に参加することができ、普段あまり目にしない現
場のことが理解できるため顧客満足につながる。社会人になっても成長で
きる環境がここにはある。
また、女性だけで結成された「ウィメンズプロジェクト」という開発チー
ムがある。このプロジェクトは女性だけで、企画やデザイン、制作、販売
促進などすべてを行う。女子目線で考えられた「女子がトキメクパッケー
ジづくり」に取り組んでいる。大切な人への贈り物にはぴったりなとても
かわいいレース柄、英字柄、カントリーデザート柄などのパッケージが特
徴である。女性の感性を活かして、女性が主となって行えるビジネスがあ
る。

お客さまの抱える問題、要望を一緒になって考えることで生まれるデザイ
ンがあり、その結果、顧客満足につながる。また、買う人の立場になって
「楽しい」という気持ちを考えることも大切である。今後は、パッケージ
を作る側が今まで入り込めなかったところまで挑戦していくという。

株式会社大鹿印刷所は、1900年創業、岐阜県揖斐郡大野町に本社を構える
印刷会社である。会社設立は1952年(昭和27年)になる。食品関連(主に
お菓子)のパッケージ企画、デザイン、印刷が主な業務である。観光ブー
ムに乗り、ディズニーランド、ユニバーサルスタジオなどのテーマパーク
をはじめとした土産品や季節に合わせた各種包装容器のパッケージの制作
などにも力を入れている。

大鹿印刷所は、5つの部門(営業部門、デザイン部門、工務部門、生産部
門、総務部門)に分かれている。売上57億6,500万円(2013年2月実績)
を収め、全国8パーセントのシェア(国土交通省観光庁のデータによる)
を持つ企業である。全体約250人のうち約55人がデザイン部だ。この会社
が常に成長しているカギは、整った設備と、働きやすい環境、そして世代
の変化に対応する適応性にあるようだ。

会社訪問で気づいたことは、社員一人ひとりの仕事に対する意識の高さで
ある。パッケージは世の中の動きさえも変える事が出来るという考え方か
ら、いかに良いパッケージデザインをつくるか、ということにとことんこ
だわり、社員だれでもデザイン提案できる環境をつくっている。最近では、
ウィメンズプロジェクト(パッケージ制作の全ての工程を女性で行う)も
考案され、世間からは「デザインがかわいい」などとよい評価を得ている。

今では、普通の印刷会社には入り込むことができない、店での商品配置や
並べ方など“入り込めないところにも入り込む”を掲げ、新しい部分にも
挑戦してパッケージを広めていこうとしている。この試みは将来性も非常
に高い。いちばん私の中に印象深く残っている姿は、すべての従業員がひ
とつのパッケージをつくり出すために、協力し、意見を出し合い仕事をし
ていることだ。高い志を持ち、時代の変化に対応して日々成長し続ける印
刷会社「株式会社大鹿印刷所」。素晴らしい人と魅力にあふれた会社であ
った。

印刷業と聞いて、どんな仕事を想い浮かべるだろうか。お菓子の包装パッ
ケージの製造が全体の9割を占める大鹿印刷所。社内にはおよそ55名がデ
ザイン部、全国の工場を含めると全社員数は250名程になる。社長とデザ
イン部門の社員さんからのお話しをもとに、この印刷会社が重きを置いて
いるデザインという仕事の奥深さと魅力に迫った。

大鹿印刷所の一番の強み、それは企画、製造、提案という一連の仕事をす
べて社内で行うことができるということだ。デザインを考える人がいる。
印刷、製造をするための環境が整っている。営業をする社員もいる。一つ
の商品に対する仕事を皆で行うことができるので、顧客の希望に近い商品
をすぐに提案することができる。顧客の要望を聞いて、たった数時間で現
物に非常に近いサンプルを作成し、携帯のメールで送信するという素早い
対応をすることもあるようだ。また、デザイナーと営業の壁がないのも大
鹿印刷所の特徴だ。営業がデザインを提案することもあれば、デザイナー
が直接お客様のところへ行き、要望を聞きだすこともある。このように臨
機応変な対応力が顧客の要望を実現へと導く。

デザインと一言でいうが、実はとても奥深い仕事だと、デザイン部門の社
員さんは話していた。デザイナーは人とモノを繋ぐ仕事。言葉で聞いたも
のを形にするには、言葉を尽くして要望を聞き出さなければいけない。言
葉から病状を診断する医者のような仕事だと言う。デザインの技術も大切
だが、コミュニケーション能力も非常に重要だ。
社内の働く環境について聞いてみると、若手の社員さんはこう答えた。
「社会人になっても成長できる」。商品が売られている観光地やお土産屋
に視察に行く機会があり、実際の売り場の雰囲気を感じることができる。
研修も多くあり、営業の研修にデザイナーが参加するなど、他部門の人か
らもいろいろ学ぶことができる環境がある。これらはすべて社長の意向で
あり、社員にとっては恵まれた環境だ。
印刷業が社会に与える影響は大きい。お菓子のパッケージ、見た目によっ
てはその商品が劇的にヒットすることもある。そしてその商品目当てに観
光客が集まり、経済が循環する。メディアに取り上げられることもある。
まさに社会を動かすこともある仕事なのだ。さらにお菓子を買うのは女性
が多いというところに目を付け、企画、製造、販売すべてを女性のみで行
う、ウィメンズプロジェクトというものを開始した。買い手は女性なので
女性の感性を大切にしなくてはいけないということだ。このように時代の
流れや変化に対応しつつ日々新たな商品を世の中に送り出している。
私達の身近にありながら魅力に気が付いていなかった印刷業という仕事。
知らない世界を見せてもらったような楽しい取材だった。


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