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大人気の「のびたくん」「しんすけさん」。テレビの世界の話ではない。
電動で伸縮する杖のことだ。親孝行グッズとして大人気なのだそうだ。モ
ノづくりの技術で困り事を解消していく岩田社長。岐阜大学の大西さんと
金城学院大学の落合さんが、その原動力を取材してきました。

岩田鉄工所はスマートフォン、パソコン、デジタル家電に必要不可欠な基
板や飛行機の部品などを製作する傍ら「のび太くん」や「伸助さん」、
「ハンドロイド」といった少数ではあるが困っている人を助ける自社ブラ
ンドも多分野に渡って展開している。東大と共同開発したり、数々のメデ
ィアで取り上げられたりと衰退する中小企業の中で躍進し続けている数少
ない企業である。

岩田鉄工所の一番の魅力は、人を喜ばせたり、楽しませたりすることを第
一にしていることである。岩田鉄工所は自社ブランドを立ち上げる際に、
大企業にできなくて中小企業にできることをやろうと考えた。そこで隙間
産業と呼ばれる、少ないながら満たされていない需要に目をつけた。例え
ば、電動で伸び縮みする杖。これは、杖を使う人が階段を上るときに段差
によって使いづらく、力が入らないという悩みを解決してくれるものであ
る。このようにちょっとした困りごとを解決する商品を今なお作り続けて
いる。その際、考えることはどうしたら困っている人が楽になって、喜ん
でくれるかということである。この思いはすべてに共通しており、商品や
工場見学、ホームページ、メディア出演などお客様だけでなく、来た人、
見た人にまで楽しんでもらえるように徹底している。社長は仕事選びに対
してもこの思いを持っており、「いかに人を喜ばせるかを考えながら働く
ことが大切で、それを達成するためには自分の好きな仕事に就くことが必
須条件だ」と述べた。

社長のフットワークが軽いのも魅力的な点の一つである。思いついたらす
ぐに行動!をモットーとしている。以前やみくもにやってしまい失敗も多
かったが、そのことを参考にして慎重かつ敏速に困っている人を解決する
商品を創り出している。商品の名前は社長がつけており、一つ一つに強い
思い入れがある。でも、その思い入れが強い分、それが伝わることが多い。

社長は「中小企業は脆弱であることはわかっている。そのなかでほかの企
業との差別化をはかり、どんどん新しいことを発信し続けていきたい。そ
して過当競争にならないためにも誰もできないような難しいことに挑戦し
たい。」と夢を語った。このように、何事にも敏速に、熱心に、面白く新
しいものを生み出している岩田鉄工所は私がこれまで抱いてきた中小企業
のマイナスイメージを大きく覆してくれた企業であった。

自分が楽しいこと・好きなことをして、誰かを幸せにする・喜ばせる、そ
んな仕事をして生きる。これが社長のモットーである。「野球をしている
イチローや松井に、仕事だから野球をしているのか尋ねたら、きっと彼ら
は好きだから野球をしている、と言うだろう。」という言葉が印象的だっ
た。

同社は、部品の製造を行っている会社である。スマートフォン・パソコン
・デジタル家電に必要不可欠な基板。その基板を造るIC部品を組み立て
る機械の心臓部となる部品。医療機器部品・油圧機器部品・航空宇宙部品、
さらには東京スカイツリーの免震パーツの製造を行なっている。基本的に
は企業対企業のB to Bの形で展開しているが、時代の変化に伴って、個
人向けであるB to Cの商品開発も行うようになった。B to C商品の開発
にあたって、社長の強い思いがある。それは、「満たされない需要を満た
すこと」である。それはつまり、誰かの困り事を解消することである。例
えば、かつてテレビができた当時は、リモコンは存在しなかった。しかし、
遠くからでもチャンネルを変えたいという声があったため、リモコンが作
られた。困り事があるところには必ず市場が存在するのである。同社が伸
びる杖を開発したのも、困り事を解消するためだ。杖が伸びることによっ
て、階段を上がる時も降りる時も、力をスムーズに杖に伝えることができ
る。また、「満たされない」というのは、その市場が小さいからだと言う。
市場が小さいために、満たされない。だから自分たちのような中小企業が
やる価値があるのだと話していた。そして、B to C商品の開発によって、
お客様との距離が近くなったとおっしゃった。これは、お客様から感謝の
手紙や、さらにもっとこうして欲しいという依頼の手紙を受け取るからだ
という。

最後に社長は、今後中小企業が生き残っていくためには、誰にもできない
ような難しいものづくりをする必要があると述べた。誰にでもできること
をやっていては、老舗が死舗になると冗談交じりにおっしゃり、人・モノ
・金の全てが脆弱な中小企業の中で他との差別化を図るには、新しいこと
を考え続けることが大切であると述べた。このために社長は、自らの大好
きな開発を通して、常に新しいことに挑んでいる。取材に行ったその時も、
新しい商品の試作品を見ることができた。経緯を聞くと、自分が困ってい
たから開発したのだという。お客様にとってベストな状態とは何であるか
を、お客様の立場になって考えるのだという。今後も、私たちのちょっと
した困り事を解消してくれる商品が、この岩田鉄工所から生まれるのを期
待したい。


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