「環境をつくるコンクリートメーカー」として、今までも、そしてこれか
らも私たちの生活を支え続けている、松岡コンクリート工業株式会社。
普段身近すぎて気づかない「コンクリートの魅力」を
岐阜大学3年高木さん、森くんが追いました。
「コンクリート」と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか。道路、側
溝…。身近ではあるが、地味で、よく分からない、というようなイメージ
を持つ人もいるだろう。私も初めはそう思っていた。コンクリートの業界
というのは、昭和30年代から同じ商品が売れ続けるという特殊な業界であ
る。そのなかで、松岡コンクリートは独自の商品を開発している。今、注
目されている「ロードクーラー」は、反射の角度を変える事により、コン
クリートに塗ると、体感温度が5度下がるという塗料である。私も実際に
体感してみたが、触ってみると明らかに温度が違った。他にも、ハニカム
ボックスという、洪水が起きた時に河川の氾濫を防ぐための貯水機能を持
ったものがある。これは大手スーパーの駐車場の地下にも設けられており、
災害時には、私たちを助けてくれるだろう。他にも用途によって使い分け
られ、70種ほどの製品を取り扱っている。今後は、道端のコンクリートの
わきに雑草が生えないような仕組みを考えているようだ。これがきちんと
製品化されれば、草を刈る費用も削減され、メンテナンスもしやすくなる
という。このように新しいアイデアがたくさん生まれてくるのは、気軽に
意見を言える雰囲気があるからだと思う。取材をしている間だけでも、社
内の和やかな雰囲気は伝わってきた。個人の長所を伸ばしてみんなで頑張
る、というのは、中小企業であるからこそできることだと思う。営業にノ
ルマが無い、というのも、個人がのびのびやっていける理由の一つであろ
う。離職率が低いことも社内の雰囲気の良さを数字で実感できる。
取材時、「ピカリンQアップ」という面白い言葉が飾ってあった。買い物
に行ったときに買いたくなるのは、くすんだリンゴではなく、ぴかぴかに
光ったリンゴである。そのように光る製品を高い質(quality)でたくさ
んの量(quantity)を作ろうという意味である。みんなでよいものを作り
たい、という思いが感じとられた。
話をしていただいた専務に、コンクリートの魅力を訪ねると、目に見えて
残るものが出来ること、であると言っていた。そして、いいものを作って、
ありがとう、と言ってもらえる仕事だ、と。そう話す専務はとても楽しそ
うだった。
インフラは、私たちの生活になくてはならないものである。インフラの仕
事は無くなることが無い。それを支えるコンクリートはとても重要な役割
を果たしている。地味なだけの存在ではない。それを今回取材に行って気
づかされた。新しい道が出来れば新しい街が出来る。そのように、時代に
合ったものをつくっていくのだ。たくさんの可能性を秘めている。未来へ
つながっていく、素晴らしいものであると思う。
皆さん、コンクリートを作る会社というものはどんなイメージが湧くだろ
うか?地味、つまらない、そもそも一体どんな仕事を行っているのかもわ
からない人も多いのではないだろうか。ところがそうではない。非常に挑
戦的で魅力的な職業である。松岡コンクリート工業株式会社は、岐阜を中
心として、愛知、三重、静岡に工場を構えるコンクリートメーカーである。
「数多く存在する会社の中でコンクリートを扱う会社というのは特殊です」
と西垣専務は言う。というのも、30年前から販売している製品が今でも
売れ筋であるそうだ。しかし、新しいものにも日々チャレンジしており、
新技術を駆使し自社オリジナルの製作も精力的に行っている。古くからあ
るものと新しいもの、それぞれのバランスを考えることが大切であるそう
だ。これまでに大手ショッピングセンターの駐車場や道路など皆さんが身
近に何気なく利用している場所で松岡コンクリートの製品が使用されてい
る。特に、「環境を作るコンクリートメーカー」を信条として人、環境に
配慮した製品の開発を行っており、現在も大学と連携して環境に配慮した
新たな商品の開発を行っている最中であるそうだ。
そんな松岡コンクリート工業株式会社の魅力としてまず、働きやすい雰囲
気というのが挙げられる。何かにチャレンジする際や、新製品の企画をす
る際に全ての社員が案を提案することができ、誰かが案を出せばその案に
対して社員みんなで意見を出し合い製品を考えるのだという。また、社内
で勉強会やレクレーションを行ったり、社長の人柄や会社のユニークな社
訓も働きやすさを後押しする大きな要因の一つとなっている。また、チャ
レンジのしやすさというのも大きな魅力だ。会社の雰囲気もその要素であ
るが、「インフラの仕事はなくならない」と西垣専務が言うように、時代
に沿って様々な事業があり、それぞれにおいて求められるものが変わる。
それはその時代に沿った新たなチャレンジの機会が数多くあるということ
だ。また、大手企業が介入しない仕事があり、コンクリートメーカーは大
手の企業ではできないような仕事もできるというのも魅力的だ。最後に、
これは土木系全般に言えることであるが、対象とする事業のスケールが大
きいことも非常に魅力である。会社や職業によってやりがいや魅力は様々
であるが、土木ほど多くの人が触れ、後世に残るような大きなものを対象
とした仕事はないだろう。これらの魅力は、離職率という指標からも伺え
る。松岡コンクリート工業は離職率が低く、それだけ社員が会社に対して
魅力、やりがいがあるということがわかる。
このように魅力あふれる松岡コンクリート工業株式会社はこれからも人や
地域、環境を大切し我々の生活を支える、なくてはならない存在である。